誕生日
今日は8月4日、僕の誕生日です。
35歳になりました( ¯꒳¯ )b✧
癌になったのが33歳なので、2年間サバイバーしてます。
今回の入院中にもたくさんの方が応援してくれました。
本当に嬉しいですし、勇気が出ます!
ありがとうございますm(_ _)m
僕のブログが少しでも誰かの力になってたら嬉しいです。
では、始めたいと思います。
本番の入院
入院したのは7月26日です。
入院してからの出来事を日記を写しながら振り返っていきたいと思います。
入院日にも熱は変動ありますが、だいぶ下がって落ち着いてきました。
さて、本番手術の為の入院です!
手術前にたくさんやる事があるからという事で、まだ手術までは1週間以上ありますが入院になりました。
もう7回目の入院になります。
たくさん色々な事を経験できました。
嫁は慣れたもので一瞬で入院道具を用意してくれました。
やりますな(*゚∀゚)!!
いつもありがとう!!!
病院到着後はいつも通り入退院センターで手続きをして、今回は手術するので整形外科病棟に入院しました。
今日は入院時の状態確認、今後の予定や現状確定している事の説明、放射線診断科の受診がありました。
案外、予定は少ないですね。
説明・同意やカンファレンスとか時間的な都合もあるのかもしれません。
午後になり呼ばれたので放射線診断科の外来に行きました。
ちなみに、いつも行く主治医がいるのは放射線治療科です。
診断科は初めてなので何の話をされるのかと思っていたら、『動脈塞栓術』の説明と同意書にサインを求められました。
んっ?
いつやるのか確認すると・・・
8月6日本番手術の前日に約3時間くらいのカテーテルで行う手術をするそうです。
・・・聞いてない(;゚Д゚)!
今回の切る範囲は大きく、腫瘍に栄養を与えている血管もあり、肋間動脈から吹き出すくらいの大出血になる可能性があり、それを止血しながら手術したりする手間を省いたり、身体への負担軽減の為に事前に行う事になったみたいです。
聞けば納得はしますが、いきなり言われるとビックリしました。
2日連続で手術するって気持ち的にしんどいですよ(´・-・` )
夕方になり、入院病棟の医師から説明が不十分だった事を謝罪されました。
医師は、プロトコル(治療手順)がない手術なので慎重にディスカッションして決めています。
手術内容が確定するのは来週の火曜日(7月30日)になります。
また、他の科も参加予定の手術なのでこれから追加検査がいつどのくらいあるかはわかりませんと説明されました。
何だか大変そうですが、関わってくれている人達を信じています。
これが最後の入院だと思って頑張りたいと思います(≧▽≦)ゞ
夕方には熱も下がって体調は良くなりました。
15日間連続の発熱はさすがに疲れました。
その日の夜は病院なのに久しぶりにゆっくり寝れました。
安心したのかな(。・ω・。)?
さて、今回の内容は手術についても説明しているので長くなっています。
よろしくお願いします。
術前の入院生活
手術の説明をする前に術前までに行った事を紹介していきます。
①麻酔科
麻酔科では、問診と全身麻酔の説明を受けました。
もちろん全ての科で説明の後には同意書にサインします。
ほとんど全ての医師がすぐにサインしなくても良いと言われますが、必要なものだからやるのに変な感じしますね。
まぁ、確認はしますが、だからといって他の方法だってこちらからは提案出来ないですし、わからないですから。
僕は疑問がなければすぐにサインします。
麻酔科では全身麻酔は初めてなので術中覚醒とかあったら嫌だなぁとか考えていたら、ちゃんとバイタルの他にも脳波とかも確認しながら行ってくれているみたいでした。
術後は覚悟していますが、全てが終わって無事にベッド上で目を覚ます事を願います。
ちょっと脱線しますが、今年に入ってすぐに次男が陰嚢水腫を全身麻酔で手術しました。
子供もがんばりましたからね!
親だってがんばります٩(>ω<*)و
②リハビリテーション科
やっぱり入院していると活動量が低下しますから、自分でも意識してなるべく階段を使ったり、ストレッチ、筋トレをしています。
整形外科病棟は9階にあるので、1階から往復したら足はだるくなりますし、息があがります。
運動にちょうど良かったです。
術後には体幹の機能低下が予測されるので、術前の評価も含めてリハビリを毎日行う事になりました。
リハ医師の問診後、理学療法士による身体機能評価と運動指導が行われました。
身体機能評価では下肢や体幹の筋力やバランスや歩行の状態を確認されました。
運動では、エアロバイクや体幹トレーニングを行いました。
術後も頑張りたいと思います。
③耳鼻咽喉科
悪化していた副鼻腔炎も落ち着いてきたので一度抗生物質は中止になりました。
抗生物質は使い過ぎると効きにくくなる事もあるので、次に使う為に温存しておくという考えもあります。
今回は最初にもらったジェニナックという抗生物質が体に合わず、口唇や手や骨盤や陰部の皮膚がただれてしまいましたが、薬をアモキシシリンに変更したら症状は回復してきました。
ジェニナックは効果は強いみたいですが、合わない人が多いみたいですね。
鼻うがいと点鼻薬は継続です。
④アンケート用紙
手術前の身体状況や不安感などを記載しました。
中には1〜10段階のどのくらいかという主観的スケールの質問もありました。
術後と比較するんでしょうね。
⑤骨・筋・皮膚移植の説明
手術方法のところで説明しますが、大手術の為に移植が必要になりました。
移植は仕方ないとして、驚いたのは取ったところの骨は金属で固定するのかと思っていたら何もしないそうです。
影響は少ないとは言っていましたが、リハビリ職としては信じられませんでした。
取るなら足の骨の『腓骨』か、腰の骨の『腸骨』です。
消してある部分を取ります。


運動に影響が出にくいのは腸骨ですが、手術して切り取った空間に移植するには長さが足りないので切ってくっ付けたりと調整が必要です。
逆に腓骨は長いので移植に使いやすい骨です。
ですが、足の動きや安定性に影響が出るので悩みどころです。
どちらを選択するかは術中の判断になります。
ん〜、終わったらどっちかが無くなってると考えるだけでゾッとしますね・・・( ˙-˙ )
⑥追加検査
入院してから追加で行った検査は採血(2回)、MRI、レントゲン(2回)です。
入院前にも急遽検査したので案外追加検査は少なかったです。
腫瘍には大きな変化はない事が確認されています。
後は術後の生検で腫瘍が広がっていないかを細かく確認するそうです。
⑦コルセット作製
術後、半年から1年くらいは移植した骨が癒合するまでは体幹を固定しなければなりません。
かたいコルセットで体幹を回す事ができなくなるように首の下から腰まで固定します。
ギプス室に行くと、頭と手を出せる腹巻きみたいなものを体にかぶせて、その布の上から石膏で体をぐるぐる巻きにしてコルセットの型を作っていきます。
乾いてから切り取って体の型が出来上がるまでもそんなに時間はかかりませんでした。
手術翌日には完成して手元に届きます。
骨癒合がうまくいってたら早めにコルセットのタイプは変更できるみたいですが、それまではプラスチックでがっちり固定したものを着けます。
出来上がったら写真を載せますね。
⑧整形外科と形成外科のカンファレンス
実際に僕の体にマジックで書きながら合同で話し合われました。
その後、術後の皮弁(有茎広背筋弁、皮弁形成、植皮)について説明されました。


写真の範囲や太ももの後ろから皮膚を移植する場合もあるみたいです。
範囲が大きくなっていますが、中途半端に小さくすると正確な移植が行いにくい為に大きく切る事になるそうです。
壊死(移植した組織が死んでしまうこと)、潰瘍(皮膚や粘膜の組織が欠損)、感染を起こさない為にも余裕をもった移植が必要だそうです。
移植した筋や皮膚がピンと張ってしまう事はリスクが大きいんですね。
また、広背筋は切っても極端な運動をしない限りは影響は少ないと話されていました。
ん〜・・・、でもこうやってマジック書きされるとちょっと範囲にはビビりますね(-_-;)
手術内容の決定
さて、いよいよ手術内容が決まり、8月1日の夕方に主治医から説明がありました。
本番まで残り5日ですから、結構ギリギリまで検討してくれたと思います。
手術名は、『第10胸椎棘突起脊椎腫瘍切除及び脊椎固定手術』となりました。
腫瘍ある胸椎10番の棘突起とその周囲の組織を切除します。


その際に背骨の支柱としての役割が減弱するため、金属での固定と、腸骨(骨盤の一部)や腓骨(膝と足首の間にある骨)などの骨移植を行います。

手術は約7時間かかるそうです。
切る範囲が広がり、9番と11番の胸椎後方要素も切除するとは聞いてなかったので驚きました(;゚Д゚)!
まるごと糸のこで神経や腫瘍部分を傷つけず(触れず)に大きく取り囲む様に切除します。
腫瘍部分が傷ついて周りに移る事を予防する為にごっそり抜きます。
取り除いた組織は生検にかけて癌細胞が周囲に広がっていないか確認するみたいです。
そして、背中の空いた空間には骨移植と金属固定をするそうです。
ん~、間違いなく大変だし、痛いだろうち・・・
(꒪ཫ꒪; )
手術の説明
では、具体的な手術の説明をします。
手術は2日間に分けて行われます。
1日目は『出血に対する動脈塞栓術』を行います。
手術は約3時間を予定しています。
本番の手術が出血量が多くならないように事前に行う処置です。
今回の出血になりそうな胸椎9〜11番の動脈(肋間動脈)の中に塞栓物質(血管の流れを塞ぐもの)を入れる治療を行う事により出血を減らします。
処置前に肩に筋肉注射を行います。
これは痛み止めと鎮静のための薬です。
処置中および処置後は長時間の安静が必要になります。
その為に、尿道に尿カテーテル(おしっこを取る管)を入れます。場合によってはピストール(コンドームみたいなもの)を着ける事もあります。
僕は1日目がピストール、2日目が尿カテーテルになりました。
足の付け根の動脈(大腿動脈)に局所麻酔を行います。
造影剤を使いながら細い管(カテーテル)を入れ、目的の血管まで進めていきます。
治療を行う前に出血の原因となる血管を把握する必要があるので撮影を繰り返したり、血管造影をしながらCTを併用する事もあります。
目的の血管まで管が到達したら、そこで治療します。
動脈血流を塞ぐ塞栓物質を、カテーテルから入れていきます。
使用する塞栓物質は、原則として塞栓用コイル(合金製の細い鉄線を巻いたもの)を用います。
動脈塞栓術に伴う合併症として、今回ターゲットの肋間動脈の場合は肋骨の裏を走行して胸壁を栄養しています。
皮膚障害や難治性潰瘍を生じる危険性があります。
一部の肋間動脈の治療においては脊髄梗塞(脊髄の血管がつまって、その部分の組織が壊死する)を生じる危険性もあります。
また、この様に止めていても多量の出血が出る事もあるそうです。
出血が多い場合は輸血します。
2日目は『第10胸椎棘突起脊椎腫瘍切除及び脊椎固定手術』です。
本番の手術です。
全身麻酔下でうつ伏せになり、腫瘍のある部位を避けるようにして縦に約20cm程度2本切開します。
腫瘍のある第10胸椎棘突起を中心に、前後の第9・10椎体の棘突起及び、椎弓根より後方の構造物をすべて切除します。
また、腫瘍の取り残しを防ぐために、第9〜11胸椎の後方の筋肉、皮膚も同時に切除します。
切除範囲は手術中に所見を見て決定しますが、切除範囲が広範になり、傷の縫合が難しい場合は形成外科の医師にも協力して頂き、再建術を行う事があります。
椎体後方部位を摘出後、第8〜12腰椎にスクリューを用いて固定します。
レントゲンで骨の位置を確認しながら、骨の中にスクリューが入るようにします。
入れた金属は問題がない限りは抜きません。
金属を入れた後もCTやMRIも撮影できますが、わかりにくい場合には状況に合わせて金属を取る事もあるそうです。
さらに、もとの骨があった空間に、骨と骨が癒合するように採取した腓骨や腸骨を移植します。
手術後は手術した場所に血が溜まらないように血を抜くためのチューブを傷の中に入れておき、3日〜5日後に抜きます。
抜糸は術後10〜14日後に行います。
入院期間は手術後は約6週間予定です。
神経症状、特に痺れ、冷え、だるさなどの症状が出るそうですが、回復には時間がかかります。
手術後は約6ヶ月はプラスチックのコルセットを装着して生活する事になります。
胸椎の手術に伴う合併症です。
●髄液漏:硬膜(脊髄・馬尾を包んでいる膜)に傷がついて中の髄液が漏れます。その場合、傷の中にいれたチューブをしばらく留置したり、新たに髄液を抜くチューブを腰から入れる事があります。
●金属がゆるむ、はずれる、金属が神経に触れる:再度金属を入れなおしたり、抜いたりする事があります。
●血腫:傷の中で血が溜まり、凝固する事によって神経を圧迫する事があります。再手術する可能性があります。
●感染:手術部位が細菌に侵されて、発熱や痛みの原因になります。この場合、細菌を殺す抗生物質の点滴をします。または、再手術(手術部位の洗浄・金属を抜く・持続洗浄チューブをいれる)をする可能性があります。
●神経合併症:手術操作により新たに痺れの出現、悪化、筋力低下が起こる事があります。
●骨採取部痛:骨を採取したところに痛みや痺れが残る場合があります。
●大腿外側皮神経障害:うつぶせで手術するために太ももの付け根の感覚神経が圧迫され、太もも前面に痺れが生じる事があります。自然に回復しますが、ブロック注射が必要な場合もあります。
●肺血栓塞栓症・深部静脈血栓症:下肢の静脈の血栓(血のかたまり)が肺に流れて肺の動脈に詰まる事があります。また、肺以外の箇所にも流れて血栓塞栓症を起こす事があります。
大変なのは間違いないですが、きっと乗り越えられると信じています。
明日からの2日間をまずは頑張りたいと思います。
応援ありがとうございました!